間作の効果がすごい!土地利用効率・収量安定・病害虫抑制を可能にする農法

農園

間作とは?

間作(かんさく/intercropping)は、一枚の圃場に時間的または空間的に二つ以上の作物を組み合わせて栽培する営農方式である。単作(モノカルチャー)が同一作物を同一期間・同一空間で栽培するのに対し、間作は「光・水・養分・空気・時間」という限られた資源を異なる作物の特性で相補的に使い切る発想に立つ。目的は多様で、総収量の増加、収益とリスクの分散、雑草・病害虫・土壌流亡の抑制、地力循環の強化、微気象の改善、労働ピークの平準化、景観・生物多様性の向上などが含まれる。

とくに重要なのは、作物間の「相補性(complementarity)」と「競合(competition)」のバランス設計である。根系の深さや広がり、光合成型(C3/C4)、草丈・葉位・葉角度、栄養要求(窒素・リン・カリ・微量要素)、耐陰性・耐乾性・耐湿性、日長反応や熟期などの形質差を利用して、資源の取り合いを避けながら互いの弱点を補い合う配置をつくる。典型例として、マメ科の窒素固定を利用して穀類のN需要を間接的に支える組合せ(トウモロコシ×インゲン、ムギ×クローバー、果樹列間のシロクローバー被覆など)が挙げられる。

以下、間作の概念を正確に捉えるために、用語、分類、評価指標、設計思想、代表例、実装上の勘所を整理する。

用語の整理

・間作(intercropping)
同一圃場で複数作物を同時または時差で栽培する総称。空間配列(帯状・筋状・畦間・株間)時間配列(同時播種/時差播種)の設計が核になる。

・混作(mixed cropping)
同一場所・同一時期に複数作物を混植する方式。間作の一形態だが、配列の秩序(帯状や条間)をあえて設けないことが多い。

・輪作(crop rotation)
時間軸のみを変えて、同じ圃場で作物を順番に替える方式。間作とは異なり同時期に複数作物は栽培しない

・二毛作/二期作(double cropping / multiple cropping)
一年(あるいは栽培期間)に連続して別作物を栽培する。時間の「連なり」であり、同時期・同空間の併存を前提とする間作とは設計思想が違う。ただし、時差間作と境界が連続的で、定植・収穫の重なりを意図的に作る設計もある。

・帯状間作(strip intercropping)
作物ごとに帯(ストリップ)を設けて互いに隣接させる。機械化に相性がよく、風食・水食に強い。

・筋状/条間間作(row intercropping)
条(列)単位で異作物を交互に配置。光の取り込み(RUE)、葉層の垂直分化根域の水平分割を狙える。

・株間間作(within-row intercropping)
同一条内の株間に第二作物を挿し込む。施設園芸や小面積での細やかな設計に向く。

間作の代表的なタイプ

① 同時間作(simultaneous intercropping)
播種・定植をほぼ同時期に行う。光・根域・養分の空間分割による資源相補性を最大化しやすい。例:トウモロコシ×つる性インゲン(立体利用)、ムギ×シロクローバー(被覆と地力維持)。

② 時差間作(staggered / relay intercropping)
先に植えた作物の畝間・株間に後作を差し込む。初期は主作の競合を避け、後半は主作の収穫で光環境が開ける。例:キャベツの条間に葉ネギを遅れて定植、コムギ登熟期にダイズを追播きするリレー。

③ 立体間作(multi-storey / 層別間作)
樹冠・中層・地表といった垂直方向の光環境を使い分ける。果樹園×被覆豆類、トウモロコシ(上層)×インゲン(中層)×カボチャ(地表被覆)など。蒸散流・地温・湿度の微気象制御の効果が大きい。

④ 緑肥間作(cover crop intercropping)
作物収穫と並行して被覆・窒素固定・団粒化促進・浸食防止を担う。レンゲやクローバー、ヘアリーベッチ等。窒素の徐放可給態リンの動態改善がねらい。

⑤ 帯状間作(strip)と条間間作(row)
機械化適性や除草・施肥・潅水の管理性、収穫動線を重視する場合に有効。帯幅・条間の設定で隣接効果(edge effect)を収量向上に転化できる。

間作が機能する生態・生理の要点

根域の分業
浅根性(例:コムギ、レタス)と深根性(例:トウモロコシ、ヒマワリ)を組み合わせると、土壌層別の水・養分を取り合わずに利用できる。深根は毛細管上昇やポンプアップで水を上層に再配分し得る。

窒素固定の介在
マメ科の共生窒素固定が周辺微生物群集や根圏pH、炭素源の供給様式を変え、非マメ科の窒素吸収効率や窒素利用効率(NUE)の改善につながる。

光の立体分配
草丈差・葉角度差・葉色素特性(クロロフィルa/b比など)を利用して、光合成有効放射(PAR)の捕捉を合計で最大化。上層が強光飽和に達する時間帯に、下層の耐陰性作物が散乱光を活かす。

アレロパシーと被覆効果
ソルガムやライムギなどのアレロパシー、クローバー等の地表被覆は、雑草抑制と土壌水分保持に寄与する。ただし望まぬ抑制も起きうるため、作物選択と播種時期に配慮が必要。

微気象の緩衝
多層化された群落は風速低下・地温振幅の縮小・蒸散流の安定化を生み、高温・乾燥・豪雨へのレジリエンス(被害吸収力)を高める。

評価と指標

間作の成否は感覚的な「良かった・悪かった」ではなく、定量指標で確認する。

土地利用効率比(LER: Land Equivalent Ratio)
LER=(間作内での作物Aの相対収量)+(作物Bの相対収量)+…
LER>1なら、同じ収量を単作で得るより少ない土地で達成していることを意味する。間作の代表指標。

相対収量合計(RYT)/競合指数(CI)
資源の取り合いと相補性のバランスを定量化する。RYTが1を上回るほど相補性が勝る

光合成効率/放射利用効率(RUE)・水利用効率(WUE)・窒素利用効率(NUE)
多層群落が単位資源あたりの生産を高めたかを検証する。作季・天候年次で変動するため複数年評価が望ましい。

設計の原則(思考の順番)

① 目的の明確化
総収量増、可販部位の安定、雑草・病害虫抑制、地力維持、景観、生態系サービス、労働平準化など最優先のKPIを定める。

② 資源地図の作成
圃場の日照・風・排水性・保水性・土層厚・pH・EC・可給態Pなどを把握して、制約要因を特定する。

③ 作物特性の照合
根系深度、草姿、耐陰性、光合成型(C3/C4)、日長感応、熟期、養分要求、病害虫感受性、収穫インターバルを一覧化し、競合を避けつつ相補性が立つ組合せを抽出。

④ 空間配列と時間配列
帯幅・条間・株間、同時か時差か、どの段階で群落の層別を完成させるかを逆算。被覆率と隣接効果を狙って端列の活用も設計に入れる。

⑤ 施肥・潅水・防除のモジュール化
作物ごとの要求量とタイミングを分施・分区で整合。点滴潅水帯状施肥が作物間の競合緩和に有効。

⑥ 収穫・動線・機械化
条配置は収穫機の通行幅選果・出荷動線から逆設計する。帯状間作は機械適性が高い。

⑦ モニタリングと微修正
遮光率、土壌水分、葉色計(SPAD)、生育相対指数(NDVI)等でリアルタイム最適化。翌作へ知見を累積する。

代表的な組合せ例(考え方の型)

トウモロコシ × いんげん × カボチャ
上層(C4高茎)×中層(つる性N供給)×地表被覆(蒸散と雑草抑制)。立体・窒素固定・被覆を一体化。

ムギ × シロクローバー(またはレンゲ)
ムギの条間を常緑被覆し、侵食防止・N固定・可給態P改善。刈敷で土壌有機物(SOM)を補強。

果樹列間 × マメ科被覆/ハーブ
列間の微気象緩衝受粉・天敵温存(花資源)を両立。土壌コンパクションの緩和にも。

キャベツ × ネギ
根域・病害虫の交差抵抗性匂いによる相互作用を活用。作期のズレで管理労力を平準化。

サツマイモ × エダマメ
地表被覆と窒素固定の同時効果。砂質・高温年に強い。

注意点(リスク管理)

過度の競合
陰性の弱い作物を厚播き・密植すると、徒長・空洞・品質低下が起きやすい。時差播種で初期競合を避ける。

養分のアンバランス
マメ科のN固定を過信すると過繁茂・倒伏・病害助長を招くことがある。基肥を控え、追肥で微調整する。

病害虫・作業の複雑化
作物が増えるほど診断とタイムリーな処置が難しくなる。スカウト頻度の設定防除モードの標準化が鍵。

市場・収穫ロジスティクス
収穫時期が分散する利点は出荷の平準化に直結する一方、小ロット多品目の選別・梱包は手間増。販売計画と一体設計が必須。

間作がもたらす広義の価値

総収量ではなく「総価値」の最大化
可販部位の収益、等外品の副次利用、加工・直売・セット販売で価値を束ねる設計が機能する。

気候変動への適応
極端気象に対し、群落の緩衝能多様性が収量安定性(年次間変動の縮小)を高める。

生態系サービスの統合
受粉・天敵温存、土壌炭素貯留、景観・教育価値まで含めると、間作は地域循環型農業の核になりうる。

まとめ

間作とは、一枚の圃場に作物の多様性を設計的に持ち込むことで、資源利用効率とリスク耐性、環境適合を同時に高める栽培戦略である。単作に比べて設計・管理は複雑になるが、根域分業・光の立体分配・窒素固定・被覆と微気象制御の仕組みを理解し、空間配列(帯・条・株間)時間配列(同時・時差・リレー)を組み合わせれば、土地利用効率(LER)>1を達成しつつ収益と生態系サービスを拡張できる。ポイントは、目的の明確化→資源地図→作物特性の照合→配列と施肥・潅水のモジュール化→収穫動線→モニタリングという一連のプロセスを、データに基づき年々更新していくことだ。

間作の特徴とは?

間作の最大の特徴は、複数の作物を組み合わせることで資源の利用効率を最大化しつつ、環境・経済・生態系の各側面で相乗効果を生み出す点にある。単作では一種類の作物にすべての資源を集中的に投入するが、間作では作物間の違いを活かすことで、土地・水・光・栄養素を立体的かつ時間的に分け合う仕組みを作り出す。この構造的特徴により、収量の安定、病害虫の抑制、労働分散、環境保全といった多様なメリットが得られる。


資源利用の効率化

間作は、根の深さや広がりの異なる作物を組み合わせることで土壌資源を層別利用できる。例えば、浅根性のレタスと深根性のヒマワリを同じ圃場で栽培すると、同じ土壌層の水分や養分を奪い合うことなく利用できる。また、マメ科作物は根粒菌によって窒素固定を行い、隣接する非マメ科作物に恩恵を与える。このような相補作用は、窒素利用効率や水利用効率を高める効果につながる。

さらに、葉の配置や草丈の違いを利用することで光合成効率の最大化が可能となる。高茎の作物が直射光を受け止める一方で、低茎や耐陰性の作物が散乱光を有効利用することで、群落全体の光合成量が増加する。


生態系サービスの活用

間作のもう一つの大きな特徴は、生態系サービスを農業生産に組み込める点である。複数の作物を植えることで多様な花資源や隠れ場所が生まれ、受粉昆虫や天敵昆虫が維持されやすくなる。これは化学農薬への依存度を下げる効果を持ち、持続可能な農業を推進する重要な要素である。

また、被覆作物を用いた間作は、雑草抑制や土壌侵食の防止に有効である。クローバーやヘアリーベッチのような作物は、地表を覆うことで光を遮り、雑草の発芽を抑制する。さらに、その根が土壌を安定させるため、豪雨や強風による表土流亡を軽減する役割も果たす。


微気象の改善

間作は群落構造を複層化することで微気象を緩和する特徴を持つ。作物が多層的に配置されると、風速が弱まり、土壌表面の乾燥が抑制される。また、葉層が作り出す日陰によって地温が安定し、極端な高温や乾燥から作物を守る効果がある。これにより、気候変動による異常気象にも耐えやすい栽培体系が構築される。


労働・収穫の分散

単作では播種・除草・収穫などの作業が一斉に集中するのに対し、間作では作物ごとに成長速度や収穫時期が異なるため、作業が分散される特徴がある。これにより農繁期の労働負担が軽減され、出荷時期も分散されるため、市場への安定供給が可能となる。

一方で、複数作物を同時に管理する必要があるため、病害虫の発生状況や施肥計画を精緻に調整する必要があり、管理の複雑性が増すという特徴もある。


経済的安定性

間作は収量を単純に増やすだけでなく、経済的リスクを分散するという特徴を持つ。単作では一作物が不作になると大きな損失につながるが、間作では複数の作物が存在するため、ある作物が不作でも他の作物で補える。この「リスクヘッジ効果」により、農家にとって収入の安定につながる。

また、市場価格が変動しても、多品目を同時に生産することで安定的に収益を確保できる。小規模農業や直売所を基盤とした農家にとっては、間作が収益確保の重要な手段となっている。


環境保全との親和性

間作は化学肥料や農薬への依存を減らし、土壌や生態系の健全性を維持する特徴を持つ。緑肥間作は有機物を土壌に供給し、団粒構造を発達させることで土壌の保水性や透水性を改善する。さらに、窒素固定作物を組み合わせることで、化学肥料の使用量を削減し、環境負荷を低減できる。

このように、間作は持続可能な農業(サステナブルアグリカルチャー)の実現に欠かせない方法のひとつとして位置づけられている。


まとめ

間作の特徴は、単作にはない多面的な効果にある。資源の効率的利用、雑草や病害虫の自然抑制、微気象の改善、労働や収穫の分散、経済的リスクの軽減、そして環境保全までを同時に実現できる。その一方で、管理が複雑化するという課題はあるが、適切な作物の組み合わせと設計によって、持続可能かつ安定した農業を実現できる。

間作の効果について

間作は単なる栽培方法の工夫にとどまらず、農業経営や環境保全、生態系維持に大きな効果をもたらす。ここでは、間作によって得られる代表的な効果を整理し、その具体的な影響を多角的に解説する。


土地利用効率の向上

間作の効果の中で最もよく知られているのが、土地利用効率の向上である。異なる作物を同じ圃場で同時に育てることで、単作よりも多くの収量を得られる可能性がある。

その評価指標として「土地利用効率比(LER: Land Equivalent Ratio)」がある。LERが1を超えれば、同じ面積で単作を行った場合よりも多くの収量を生み出したことを意味する。実際、トウモロコシとインゲンの間作や、麦とクローバーの間作ではLERが1.2~1.5を示す例が多く、農地を効率的に活用できることが示されている。


収量と品質の安定化

間作は単作に比べて収量の年次変動を緩和する効果がある。これは、作物ごとに環境条件への反応が異なるため、一方の作物が不作であっても他方が補うことで、全体の収量が安定するからである。

また、品質面でもプラスの効果がある。例えば、日陰を好む作物を高茎の作物と一緒に栽培すると、強光による葉焼けや水分ストレスが軽減され、品質の良い収穫物が得られるケースが多い。


病害虫の抑制

間作は病害虫の発生を抑える効果を持つ。単作圃場では病害虫が同一作物に集中しやすく、爆発的に繁殖することがある。しかし、間作では異なる作物が混在しているため、病害虫の移動や繁殖が妨げられる。

さらに、作物の香りや揮発成分が病害虫の忌避に役立つ場合もある。例えば、キャベツとネギを一緒に栽培すると、ネギのにおいがアブラナ科害虫の飛来を減少させることが知られている。また、花を伴う作物を取り入れることで、天敵昆虫の生息環境を確保し、自然的な防除機能が働くことも効果の一つである。


雑草抑制

間作では作物が畝や地表を覆うため、雑草が光を奪われて生育しにくくなる。特にクローバーやヘアリーベッチのような被覆作物は、地面を覆って雑草の発芽や成長を抑制する。

加えて、一部の作物はアレロパシー(他の植物の発芽や生育を阻害する化学物質の分泌)を持ち、これが雑草抑制に寄与する。ライムギやソルガムを組み合わせた間作は、農薬を使わずに雑草を制御する効果を示している。


土壌肥沃度の改善

間作には土壌肥沃度を改善する効果がある。特にマメ科作物の窒素固定は大きな役割を果たす。根粒菌と共生することで空気中の窒素を土壌に供給し、次作の肥料コストを削減できる。

さらに、被覆作物は収穫後に緑肥としてすき込まれることで有機物を土壌に供給し、団粒構造を改善する。これにより保水性や透水性が向上し、作物の根張りや養分吸収が良くなる。


微気象の調整

間作によって形成される複層的な群落は、圃場内の微気象に良い影響を与える。高茎作物が日差しをやわらげ、低茎作物が地表を覆うことで、地温が安定し、土壌水分の蒸発が抑えられる。また、風速が弱まり、乾燥や強風による被害が軽減される。これにより、作物が高温や干ばつといった気象ストレスに対して強くなる。


労働と収益の安定

間作は労働負担の分散という効果も持つ。複数の作物を同時に育てることで、播種や収穫の時期が分散され、作業が一時期に集中しにくくなる。結果として、農繁期の労働負荷が軽減される。

また、収益面では複数作物を同時に扱うことでリスクが分散される。一方の作物が不作でも他方の収穫物で補えるため、全体の収益は安定する。市場価格が変動しても、多品目の収穫は価格リスクを和らげる効果を持つ。


環境保全と持続可能性

間作は環境保全に資する効果を持つ。化学肥料や農薬の使用量を減らしながらも生産性を維持できるため、持続可能な農業の実現に貢献する。土壌の健全性を維持し、水質汚染や温室効果ガス排出の低減にもつながる。

このように、間作は農業生産の枠を超えて、地域環境や社会全体に利益をもたらす農法といえる。


まとめ

間作の効果は多岐にわたる。土地利用効率の向上、収量と品質の安定化、病害虫や雑草の抑制、土壌肥沃度の改善、微気象の調整、労働と収益の安定、環境保全など、その影響は農業経営と自然環境の双方に及ぶ。単作に比べて設計や管理が複雑になるものの、その効果は十分に大きく、持続可能な農業の実践に不可欠な手法である。

間作と混作の違いについて

間作と混作はしばしば同じ意味で使われがちだが、農学的には明確に区別される。両者とも一つの圃場で複数の作物を育てる点では共通しているが、栽培方法や目的、配置の仕方に違いがある。ここでは、間作と混作の定義を整理し、その違いを構造的・管理的・効果的な観点から詳しく解説する。


定義の違い

  • 間作(intercropping)
    作物を意図的に配置し、時間的あるいは空間的に調整しながら栽培する方法。条ごとに植える、時期をずらす、草丈の差を利用するといった計画性がある。目的は資源利用の最適化や収量の安定、病害虫抑制、環境保全など多様である。
  • 混作(mixed cropping)
    複数の作物を特に秩序を設けず、同じ圃場に同時に栽培する方法。条配置や時差などの計画性は弱く、自然に近い形で複数作物を育てる。収穫物の安定やリスク分散が主な目的とされる。

空間配置の違い

間作は「どの作物を、どの位置に、どの間隔で植えるか」を計算して設計する。例えば、トウモロコシとインゲンを交互に条ごとに配置したり、キャベツの畝間にネギを植えるように、作物同士が互いに干渉しすぎず、相補的に働くような配置が取られる。

一方、混作は同じ畑にランダムに複数の作物を植えることが多く、作物同士の競合が強まりやすい。ただし、自然農法や伝統的農法では混作が一般的に行われ、農薬や肥料の使用を抑えつつ収穫のリスク分散を図る方法として根付いている。


時間的側面の違い

間作には同時に植える方法と、時差を設けて植える方法がある。前作物の収穫直前に次作物を播種して生育を重ねる「リレー間作」などは、空間だけでなく時間の調整を重視する点で特徴的である。

混作では通常、同時期にすべての作物を播種・定植するため、時間的な計算はほとんどされない。作物が自然に共存しながら成長する姿に近い。


管理の違い

間作は施肥や潅水、防除などの管理を作物ごとに調整する必要がある。条や帯の区分けを前提としているため、比較的体系的な管理が可能であり、機械化農業との親和性も高い。

一方、混作は管理が難しい。異なる作物が入り乱れて生えているため、施肥や防除の方法を一律に行うしかなく、作物ごとに適切な対応がしにくい。その分、管理の単純さと同時に効率の低下を伴う場合もある。


効果の違い

間作の効果は、資源利用効率の向上や収量の増加、病害虫の抑制、土壌肥沃度の改善など、計画的に設計することで得られる。一方、混作は効果が安定しにくく、作物間の競合による収量低下が起こりやすい。ただし、環境条件が不安定な地域では、一作物が不作になっても他の作物で補えるというリスク分散効果があり、小規模農業や subsistence farming(自給的農業)では有効である。


実例での比較

  • 間作の例
    トウモロコシとインゲンの組み合わせ。トウモロコシが支柱となり、インゲンが窒素を供給することで互いに利益をもたらす。
  • 混作の例
    小規模な家庭菜園でトマト、ナス、ピーマンを同じ畝に無秩序に植える場合。収量や品質にばらつきが出るが、多様性によって全体として収穫のリスクを抑えられる。

まとめ

間作と混作はどちらも複数作物を同じ圃場で栽培する方法であるが、その性質は大きく異なる。間作は計画性に基づいて空間や時間を設計し、資源利用効率や収量の安定を追求する栽培法であるのに対し、混作はより自然に近く、リスク分散や多様性確保を重視する方法といえる。現代農業においては、機械化や持続可能性の観点から間作が注目されているが、伝統的農業や小規模農業においては混作が依然として重要な役割を果たしている。

このように、間作と混作を正しく理解し、目的や環境に応じて適切に使い分けることが、農業経営と環境保全の両立に直結する。

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