コナジラミの天敵とカランジャ油は両立できる?寄生バチ・テントウムシへの影響と「使う順番」を論文から解説

明るい温室に並ぶトマトの株と、手前の作業台に置かれた金色の植物油の小びんと茶色い木の種

※この記事はアフィリエイト広告を含みます。

コナジラミの天敵である寄生バチやテントウムシは、天然由来の殺虫成分であっても、直接かかると大きな被害を受けることが、2026年に発表された論文で報告されています。カナダの研究チームの実験では、植物の種から搾った「カランジャ油」がトマトのオンシツコナジラミを最大約80%死亡させた一方、天敵の寄生バチとテントウムシの仲間にも強い毒性を示しました。ただし、先にカランジャ油を散布し、乾いてから寄生バチを放した場合には、寄生バチの働きは変わらなかったと報告されています。

この記事では、この論文の内容をもとに、コナジラミと天敵の関係、カランジャ油の効果と天敵への影響、そして「使う順番」によって両立できる可能性までを、専門用語をかみくだいて解説します。

  1. コナジラミの天敵とは?温室のトマトで活躍する寄生バチとテントウムシ
  2. オンシツコナジラミとはどんな害虫なの?
  3. コナジラミの天敵にはどんな種類がいるの?
    1. オンシツツヤコバチ(寄生バチ)
    2. デルファスタス・カタリナエ(テントウムシの仲間)
  4. なぜ天然由来の殺虫成分(植物抽出物)が注目されているの?
  5. カランジャ油とは?どんな成分が虫に効くの?
    1. 効き目の主役は「カランジン」
    2. これまでに報告されている作用
    3. 研究で使われたカランジャ油
  6. 研究ではどんな実験が行われたの?
    1. トマトの育て方
    2. 7種類の実験
  7. カランジャ油はコナジラミの成虫にどれくらい効いたの?
    1. 48時間後:濃いほどよく効いた
    2. 2週間たっても効き目が続いた
    3. 卵を産ませなくするのではなく「親を減らす」
  8. カランジャ油は幼虫にも効くの?どうやって効くの?
    1. 若い幼虫ほど、濃さに応じて減った
    2. 幼虫に直接かけても効いた。乳化剤だけでは効かなかった
    3. 効き方は「接触型」と考えられる
  9. 天敵の寄生バチ(オンシツツヤコバチ)にはどんな影響があったの?
  10. 天敵のテントウムシ(デルファスタス)にはどんな影響があったの?
  11. 散布の順番を変えると、コナジラミの天敵と両立できるの?
    1. 寄生バチ:寄生する割合は変わらなかった
    2. テントウムシ:組み合わせでコナジラミの幼虫がほぼいなくなった
  12. ほかの研究では、天然由来の殺虫成分と天敵の関係はどう報告されているの?
    1. 天敵への影響が小さかったという報告
    2. 直接かかると天敵にも毒性があったという報告
  13. この研究の限界と注意点は?
    1. 温室と実験室での結果である
    2. テントウムシの「食べる力」への影響はまだわからない
    3. 浸透移行性の可能性は完全には否定できていない
    4. 研究用の製剤である
    5. 「使う順番」を守ることが前提
  14. 家庭菜園で天敵を活かしたコナジラミ対策はどう考えればいいの?
    1. まず確認したいこと:農薬として登録されているか
    2. 考え方1:「天然由来=天敵にやさしい」とは限らない
    3. 考え方2:「どこにかけるか」を絞る
    4. 考え方3:「先に減らして、あとは天敵にまかせる」
    5. 考え方4:天敵がすみやすい環境をつくる
  15. まとめ
  16. よくある質問(Q&A)
    1. Q1. 天然由来の殺虫成分なら、テントウムシなどの益虫には安全ですか?
    2. Q2. カランジャ油はコナジラミの卵を産ませなくする効果がありますか?
    3. Q3. 家庭菜園でもコナジラミの天敵を利用できますか?
  17. 参考文献

コナジラミの天敵とは?温室のトマトで活躍する寄生バチとテントウムシ

コナジラミの天敵とは、コナジラミを食べたり、コナジラミの体に卵を産みつけて育ったりすることで、コナジラミの数を減らしてくれる生き物のことです。

トマトの温室では、コナジラミの幼虫に卵を産みつける小さな寄生バチや、コナジラミの幼虫を食べるテントウムシの仲間が、生きた「防除資材」として販売・利用されています。こうした天敵を使って害虫を抑える方法を「生物的防除」と呼びます。

今回紹介する研究の特徴は、トマト・コナジラミ・天敵を、別々ではなく「つながったひとつの仕組み」として見ている点です。生き物どうしの「食べる・食べられる」の関係を網の目のように表したものを「食物網(しょくもつもう)」といいます。今回の研究で扱った食物網は、次の4者でできています。

段階生き物役割
一次生産者トマト光合成で育ち、コナジラミの餌になる
植食者(害虫)オンシツコナジラミトマトの葉の汁を吸う
天敵(寄生バチ)オンシツツヤコバチコナジラミの幼虫に卵を産みつけ、中から食べて育つ
天敵(捕食者)デルファスタス・カタリナエコナジラミの幼虫を丸ごと食べるテントウムシの仲間

出典:Toxicity across food webs: effects of karanja oil on greenhouse whitefly on tomato and two commercial biocontrol agents(本文をもとに作成)

研究チームが問いかけたのは、「害虫に効く天然の成分は、その害虫を食べる天敵にも効いてしまうのではないか」という点です。害虫を退治するための資材が、食物網の上にいる天敵にどう影響するのかは、意外なほど調べられていないと論文は指摘しています。

オンシツコナジラミとはどんな害虫なの?

オンシツコナジラミ(学名:Trialeurodes vaporariorum)は、トマトやキュウリ、ナス、花きなどの葉の裏に寄生して汁を吸う、体長1〜2ミリほどの白い小さな虫です。名前のとおり、温室(オンシツ)で特に増えやすいことで知られています。

論文では、オンシツコナジラミはトマトにとって最も被害の大きい害虫の一つとされ、主な被害として次の点が挙げられています。

  • 葉にとまって汁を吸い、植物の生理的な働きを乱す
  • 植物のウイルスを媒介する(運ぶ)
  • 最終的に、トマトの収量を減らす

ウイルスを運ぶ害虫は、数が少なくても被害が広がることがあるため、早い段階で数を抑えることが大切です。コナジラミが媒介するウイルス病の一つであるトマト黄化葉巻病については、トマト黄化葉巻病の症状と対策を解説した記事で詳しく紹介しています。

オンシツコナジラミの見分け方や発生しやすい条件、基本的な防ぎ方は、オンシツコナジラミの原因と対策をまとめた記事もあわせてご覧ください。また、カリフォルニア大学の総合的病害虫管理プログラム(UC IPM)も、コナジラミ類の生態と管理方法を解説したページ(英語)を公開しており、天敵の保護を重視した対策が紹介されています。

コナジラミの成虫は、黄色に引き寄せられる性質があります。黄色い粘着シートで捕まえた虫の種類をAIで見分ける研究については、黄色粘着トラップとAIによる害虫の判別を紹介した記事で取り上げています。

温室で、トマトの葉を手でそっと裏返して葉の裏を確かめている様子

コナジラミの天敵にはどんな種類がいるの?

今回の研究で使われた天敵は、どちらも生物防除資材メーカーから購入された市販品で、温室のコナジラミ対策で一般的に使われている種類です。それぞれの特徴を見ていきましょう。

オンシツツヤコバチ(寄生バチ)

オンシツツヤコバチ(学名:Encarsia formosa)は、体長1ミリにも満たない、ごく小さな寄生バチです。人を刺すことはありません。

  • コナジラミの幼虫の体の中に卵を産みつける「内部寄生バチ」
  • ふ化したハチの幼虫は、コナジラミの幼虫の中身を食べて育つ
  • 19〜21日ほどで、大人のハチ(成虫)としてコナジラミの幼虫から出てくる
  • 1匹のハチが1日に8匹ほどのコナジラミ幼虫に寄生できる
  • すでに寄生されている幼虫を見分ける能力が高く、同じ幼虫に重ねて卵を産むことを避けられる

研究では、ハチに寄生されたコナジラミの幼虫40匹が貼りついた小さな厚紙(3cm×2cm)の製品が使われました。厚紙を株の近くに置いておくと、約2週間でハチが出てきて、新しいコナジラミの幼虫に寄生しはじめます。

デルファスタス・カタリナエ(テントウムシの仲間)

デルファスタス・カタリナエ(学名:Delphastus catalinae)は、黒くて丸い、体長1〜2ミリほどの小さなテントウムシの仲間です。

  • 幼虫も成虫も、コナジラミの幼虫を食べる
  • 食欲がとても旺盛で、1日に最大100匹のコナジラミ幼虫を食べる
  • 幼虫を「丸ごと」食べるため、寄生バチのように食べた跡が残りにくい

テントウムシの仲間は、家庭菜園でもアブラムシなどを食べてくれる身近な天敵です。日本でおなじみのテントウムシの生態については、ナナホシテントウの生態と役割を紹介した記事で詳しく取り上げています。

2種類の天敵の違いを表にまとめると、次のとおりです。

項目オンシツツヤコバチデルファスタス・カタリナエ
分類寄生バチ(ツヤコバチ科)甲虫(テントウムシ科)
コナジラミへの働き幼虫の体内に卵を産み、中から食べて育つ幼虫を丸ごと食べる
働きの目安1匹が1日に約8匹の幼虫に寄生1日に最大約100匹の幼虫を食べる
研究での入手形態寄生された幼虫40匹付きの厚紙ソバ殻に入った成虫

出典:Toxicity across food webs: effects of karanja oil on greenhouse whitefly on tomato and two commercial biocontrol agents(本文をもとに作成)

トマトの葉、コナジラミの幼虫、寄生バチ、小さな黒いテントウムシを矢印でつないだ食物網の図解イラスト

なぜ天然由来の殺虫成分(植物抽出物)が注目されているの?

植物抽出物とは、植物の葉や種子、根などから取り出した成分のことで、その中には虫を殺したり、寄せつけなかったりする働きをもつものがあります。

論文によると、化学合成の殺虫剤に大きく頼った害虫対策には、次のような課題があります。

  • 生態系にさまざまな影響を与える
  • 天敵を使った生物的防除の効果をじゃますることがある

そこで、植物抽出物は「狙っていない生き物(非標的生物)への毒性が低く、分解が速い」ことから、環境への影響が比較的小さい選択肢として期待されてきました。論文では、植物抽出物の可能性を示す先行研究として、次のような例が紹介されています。

研究の対象使われた植物抽出物報告された結果
マメ科作物の害虫6種類の植物抽出物(主に3種の植物で効果)害虫の数を減らし、益虫には無処理と比べて有意な影響なし
ジャガイモのコロラドハムシニーム油と3種類の伝統的な植物抽出物ニーム油が最も効果的で、害虫を66%減らし、非標的生物への大きな影響なし
貯穀害虫のコクヌストモドキマメ科植物(Crotalaria stipularia)の種子抽出物害虫の死亡率100%、試験した非標的生物には有意な毒性なし

出典:Toxicity across food webs: effects of karanja oil on greenhouse whitefly on tomato and two commercial biocontrol agents(序論で紹介された先行研究をもとに作成)

一方で、研究チームは「植物がつくる毒性の成分が、害虫を食べる多様な天敵にどう影響するかはほとんど分かっていない」と指摘しています。植物抽出物を含む殺虫剤が、栄養段階をまたいだ生き物の関係をどう変えるかについての情報も限られているとしています。

天然由来の殺虫成分は、植物だけでなく海の微生物などからも探されています。どのような成分がどんな仕組みで効くのかは、海洋微生物由来の天然農薬の成分と効果を解説した記事で紹介しています。

狙った害虫以外への影響を考えることは、天然由来の資材でも化学合成の農薬でも同じです。農薬や化学肥料にできるだけ頼らない栽培がどのようなものかを、まずは食卓で知りたい方には、次のような野菜の定期宅配もあります(今回の研究とは直接関係しません)。

化学合成農薬・化学肥料不使用。環境負荷の小さい農法で育てられたお野菜

カランジャ油とは?どんな成分が虫に効くの?

カランジャ油とは、マメ科の樹木クロヨナ(ポンガミア、学名:Pongamia pinnata)の種子から搾った油のことで、幅広い害虫に対する殺虫効果が知られています。

クロヨナは、インドなど南アジアを中心に育つ木で、論文によると、薬用や農業用など、さまざまな用途のために栽培されている油糧作物です。

効き目の主役は「カランジン」

カランジャ油の働きの中心と考えられているのが、「カランジン」という成分です。カランジンは、種子に含まれる主要なフラボノイドです。フラボノイドとは、植物がつくるポリフェノールの仲間で、色素や防御成分として働くものが多く含まれます。論文では、カランジンが昆虫を死なせたり、寄せつけなかったりする働きの主な有効成分であると説明されています。

これまでに報告されている作用

論文によると、カランジャ油は、さまざまな害虫に対して次のような作用が報告されています。

作用の種類意味報告されている対象の例
致死作用虫を死なせるガ類、カメムシ類、甲虫類など
忌避作用虫を寄せつけないガ類など
摂食阻害作用虫に植物を食べさせにくくするガ類など
殺幼虫作用幼虫を死なせる蚊の幼虫など

出典:Toxicity across food webs: effects of karanja oil on greenhouse whitefly on tomato and two commercial biocontrol agents(序論をもとに作成。対象にはほかにシロアリ、ダニも含まれる)

一方で、カランジャ油がオンシツコナジラミの成虫や幼虫に、直接・間接にどのような影響を与えるのかについての情報は限られていました。今回の研究は、この空白を埋めることも目的の一つでした。

研究で使われたカランジャ油

研究で使われたのは、カナダの企業から提供された研究用の製剤で、市販の製品ではありません。製剤の中身と使い方は次のとおりです。

  • 中身:低温圧搾した純粋なカランジャ油85%と、水と混ざりやすくするための乳化剤15%
  • カランジンの濃度:この搾り方で、およそ2,000ppm(0.2%)になることが示されている
  • 使い方:製剤を30℃のお湯で15〜20分温めてから、蒸留水で所定の濃さに薄めた

ちなみに、植物が種子に防御成分をため込むのは、次の世代となる種を虫から守るためだと考えられています。インドセンダンの種子から搾るニーム油と同じように、木の種子の油が虫よけに使われてきたのは、こうした植物の工夫を利用しているともいえます。

つやのある葉と平たい茶色のさやをつけたクロヨナ(ポンガミア)の枝と、木のテーブルに置かれた種と金色の油の小皿

研究ではどんな実験が行われたの?

研究は、カナダのブリティッシュコロンビア大学の園芸温室で行われました。

トマトの育て方

実験には、温室のコナジラミがよくつくトマトの品種「マネーメーカー」が使われました。

  • 栽培条件:気温22〜25℃、湿度70〜80%、明るい時間16時間・暗い時間8時間
  • 種まきの前に、種を真水に12時間浸し、湿らせたシャーレで暗い所に8時間置いて発芽を促した
  • 1.5リットルのポットに深さ1.5cmで種をまき、湿度の高い育苗台で4週間育てた
  • 肥料、植物ホルモン、生育促進剤は使わず、水やりは真水だけにした(植物の生育や虫のつき方に影響しないようにするため)
  • 実験には、種まきから7〜8週の株を使った

7種類の実験

研究チームは、コナジラミ、寄生バチ、テントウムシのそれぞれに対して、次の実験を行いました。

実験何を調べたかカランジャ油の濃さかけ方数えたもの
1. 成虫と生活環への影響コナジラミ成虫の生存と次世代1.25%、2.5%、5%トマトに散布し、乾いてから成虫20匹を放す48時間後と2週間後の成虫・幼虫・卵
2. 幼虫への直接の影響幼虫の生存と乳化剤の影響1%、2%、3%幼虫がついたトマトに直接散布48時間後の生きている幼虫
3. 根への施用植物の中を移動して効くか1%、2%、3%根元に注ぐ3週間後の生きている幼虫
4. 寄生バチへの直接の影響ハチの羽化0.5%、1%、2%、3%寄生された幼虫の付いた厚紙に直接かける2週間後に羽化したハチ
5. テントウムシへの直接の影響成虫の生存0.5%、1%、2%、3%成虫10匹に直接吹きかける24時間後の生きている成虫
6. 寄生バチの働き寄生率0.5%、1%、2%、3%先にトマトに散布し、コナジラミを3週間増やしてからハチを放す2週間後の寄生された幼虫と全幼虫
7. テントウムシの働き幼虫の減り方0.5%、1%、2%、3%先にトマトに散布し、コナジラミを増やしてから成虫10匹を放す2週間後の全幼虫

出典:Toxicity across food webs: effects of karanja oil on greenhouse whitefly on tomato and two commercial biocontrol agents(材料と方法をもとに作成)

散布量は、いずれもトマト1株あたり4mlです。比べるための対照として、水だけをかけた区(実験によっては乳化剤だけをかけた区も)が設けられました。また、テントウムシの実験7では、カランジャ油も天敵も入れない「何もしない区」も加えられています。テントウムシは幼虫を丸ごと食べてしまい、寄生バチのように「寄生された幼虫」を数えることができないためです。

あわせて、すべての実験で、トマトの葉の変色、黄化(クロロシス)、枯れ(壊死)、変形といった薬害がないかも観察されました。

カランジャ油はコナジラミの成虫にどれくらい効いたの?

まず、試したどの濃さでも、トマトに薬害は見られませんでした。一連の実験を通じて、葉の変色や黄化、枯れ、変形は一度も観察されていません。

48時間後:濃いほどよく効いた

トマトにカランジャ油を散布し、乾いてからコナジラミの成虫を放したところ、48時間後の生き残りは、濃さに応じてはっきり減りました。

カランジャ油の濃さ48時間後に死んだ成虫の割合2週間後に死んだ成虫の割合(放した数に対して)
0%(水だけ)約20%約65%(図からの概算)
1.25%約45%約75%
2.5%約65%約85%
5%約80%約95%

出典:Toxicity across food webs: effects of karanja oil on greenhouse whitefly on tomato and two commercial biocontrol agents(結果3.2.1と図1をもとに作成。水だけの2週間後の値は論文本文に数値の記載がないため、図からの概算)

統計的には、1.25%と比べて2.5%・5%で死んだ成虫が有意に多くなりました。一方で、2.5%と5%の間には、はっきりした差は出ていません。

2週間たっても効き目が続いた

散布から2週間後には、どの濃さでも成虫の数がさらに減っていました。論文では、温室の条件で、カランジャ油の毒性が散布後最大2週間続いたと考察されています。

先行研究でも、インドの研究者が、カランジャ油の効果がコナジラミ成虫に対して散布後少なくとも5日間続いたと報告しており、今回の結果はそれを支える内容です。

卵を産ませなくするのではなく「親を減らす」

興味深いのは、生き残った成虫1匹あたりが残した幼虫の数が、どの濃さでも変わらなかったことです(統計的に有意な差なし)。

研究チームは、この結果から次のように考えています。

  • カランジャ油は、成虫が卵を産む数そのものを減らしているわけではない
  • 幼虫の数が減ったのは、主に、卵を産む親(成虫)の数が減ったためである

つまり、カランジャ油は「産卵を止める」よりも「親を減らす」ことで、次の世代のコナジラミを減らしていたと考えられます。

カランジャ油は幼虫にも効くの?どうやって効くの?

若い幼虫ほど、濃さに応じて減った

コナジラミの幼虫は、脱皮をくり返しながら1齢から4齢へと育ちます。最初の実験で散布2週間後の幼虫を数えたところ、若い1齢・2齢の幼虫は、カランジャ油の濃さに応じてはっきり減っていました。

カランジャ油の濃さ死んだ1齢・2齢幼虫の割合(水だけと比べて)
1.25%約53%
2.5%約70%
5%約84%

出典:Toxicity across food webs: effects of karanja oil on greenhouse whitefly on tomato and two commercial biocontrol agents(結果3.2.2をもとに作成)

育った3齢・4齢の幼虫も、カランジャ油を使った区では水だけの区より有意に少なくなっていました。

幼虫に直接かけても効いた。乳化剤だけでは効かなかった

次に研究チームは、コナジラミが卵を産みつけてから2週間たったトマトから成虫を取り除き、葉についている幼虫に直接カランジャ油(1%、2%、3%)をかけました。

その結果、48時間後には、カランジャ油をかけたすべての区で、生き残った幼虫が水だけの区より少なくなりました。濃いほど死んだ幼虫は増え、論文の図からは、3%では生き残った幼虫が1割程度まで減っていることが読み取れます。

この実験には、もう一つ大事な目的がありました。油を水に混ぜるための「乳化剤」そのものに、虫を殺す働きがないかを確かめることです。乳化剤だけをかけた区では、幼虫の生き残りは水だけの区と変わりませんでした。つまり、幼虫を死なせていたのは乳化剤ではなく、カランジャ油そのものだったことになります。

効き方は「接触型」と考えられる

カランジャ油は、植物に吸わせて植物全体に行き渡らせて効く「浸透移行性」なのでしょうか。それとも、虫に直接触れて効く「接触型」なのでしょうか。

研究チームは、カランジャ油(1%、2%、3%)を根元に注ぐ実験も行いました。3週間後に生き残っていた幼虫の数は、水だけの区と比べて有意な差がありませんでした。

かけ方コナジラミへの効果
葉に散布して成虫が触れる成虫が濃さに応じて死んだ
幼虫に直接かける幼虫が濃さに応じて死んだ
根元に注ぐ幼虫の数に有意な差なし

出典:Toxicity across food webs: effects of karanja oil on greenhouse whitefly on tomato and two commercial biocontrol agents(結果3.2・3.3、補足資料の図8をもとに作成)

この結果から、研究チームは、カランジャ油は主に虫に直接かかったとき、または虫が油のついた面に触れたときに効くと考えています。ただし、浸透移行性の作用がまったくないとまでは言い切れず、確かめるには植物の組織を分析する必要があるとしています。

ほかの害虫でも、カランジャ油が幼虫期の虫に効くことは報告されています。論文では、イネの害虫トビイロウンカの幼虫に直接かけて95%が死んだという研究や、コロラドハムシやコナガの次世代にも効果があったという研究が紹介されています。

天敵の寄生バチ(オンシツツヤコバチ)にはどんな影響があったの?

ここからが、この研究の本題です。カランジャ油は、コナジラミの天敵にどう影響したのでしょうか。

研究チームは、オンシツツヤコバチに寄生されたコナジラミの幼虫(中でハチが育っている状態)40匹が付いた厚紙をシャーレに入れ、カランジャ油を直接かけて、溶液で完全に覆われるようにしました。そして2週間後に、何匹のハチが羽化して出てきたかを数えました。

カランジャ油の濃さ羽化できなかったハチの割合
0%(水だけ)約19%
0.5%約64%
1%約91%
2%約97%
3%100%(1匹も羽化せず)

出典:Toxicity across food webs: effects of karanja oil on greenhouse whitefly on tomato and two commercial biocontrol agents(結果3.4と図4をもとに作成)

コナジラミの成虫の実験で使ったいちばん薄い濃さ(1.25%)よりもさらに薄い0.5%でも、6割以上のハチが羽化できませんでした。1%以上では、9割以上のハチが出てこられなかったことになります。

ハチの幼虫はコナジラミの幼虫の体の中にいるため、外から油をかけても守られそうに思えます。しかし実際には、寄生された幼虫ごと油に覆われると、中のハチも大きな影響を受けることが示されました。

トマトの葉についたコナジラミの幼虫の中で寄生バチの幼虫が育ち、隣では成虫のハチが丸い穴から出てくる様子を表した図解イラスト

天敵のテントウムシ(デルファスタス)にはどんな影響があったの?

テントウムシの仲間、デルファスタス・カタリナエへの影響は、さらに大きなものでした。

研究チームは、シャーレに成虫を10匹ずつ入れ、カランジャ油(0.5%、1%、2%、3%)または水を直接吹きかけ、24時間後に生き残った成虫を数えました。

カランジャ油の濃さ10匹のうち死んだ成虫
0%(水だけ)ほとんどが生存(図から1〜2匹程度の死亡)
0.5%7匹
1%7匹
2%7匹
3%10匹(全滅)

出典:Toxicity across food webs: effects of karanja oil on greenhouse whitefly on tomato and two commercial biocontrol agents(結果3.5と図5をもとに作成。水だけの値は図からの概算)

どの濃さでも、生き残った成虫は水だけの区より有意に少なくなりました。毒性が強すぎたため、0.5%から3%の間では、濃さによる統計的な差が出なかったほどです。いちばん薄い0.5%でも7割が死んでいることから、「薄めれば天敵には安全」とは言えない結果です。

論文は、カランジャ油が直接かかると、寄生バチにもテントウムシにも「非常に致死性が高い」と結論づけています。天然由来の成分であっても、虫を死なせる力をもつ成分は、相手が害虫か天敵かを区別してくれるわけではないということです。

散布の順番を変えると、コナジラミの天敵と両立できるの?

では、カランジャ油と天敵は、まったく一緒に使えないのでしょうか。研究チームは、実際の温室での使い方に近い形でも試しています。ポイントは「先にカランジャ油を散布し、天敵には直接かけない」という順番です。

寄生バチ:寄生する割合は変わらなかった

実験の流れは次のとおりです。

  1. トマトにカランジャ油(0.5%、1%、2%、3%)、水だけ、または乳化剤だけを1株4ml散布する
  2. 乾いたら密閉したケージに入れ、コナジラミの成虫40匹を放して3週間置く
  3. 寄生された幼虫40匹付きの厚紙を入れ、寄生バチが羽化して働けるようにする
  4. 2週間後に、生きている幼虫の数と、寄生された幼虫の数を数える

寄生バチの数は、コナジラミ1匹が最大110個の卵を産むことと、ハチ1匹が1日に8匹の幼虫に寄生できることから、2週間でコナジラミの次世代をまかなえる量として決められました。

結果は、次のとおりです。

散布した液寄生された幼虫の割合
水だけ約12%
カランジャ油0.5%約12%
カランジャ油1%約12%
カランジャ油2%約19%
カランジャ油3%約17%

出典:Toxicity across food webs: effects of karanja oil on greenhouse whitefly on tomato and two commercial biocontrol agents(結果3.6と図6をもとに作成。どの区の間にも統計的な差はなし)

カランジャ油を使った区では、生きているコナジラミの幼虫そのものは大きく減っていました。それでも、残った幼虫のうち寄生された割合は、水だけの区と統計的に変わりませんでした。

研究チームは、この結果を次のように読み取っています。

  • 寄生バチに油が直接かからなければ、ハチの寄生する働きはカランジャ油の影響を受けない
  • 一方で、カランジャ油はコナジラミを「寄生されやすくする」わけでもない(寄生率を高めない)

テントウムシ:組み合わせでコナジラミの幼虫がほぼいなくなった

テントウムシの仲間でも、同じように先にカランジャ油を散布し、そのあとでデルファスタスの成虫を10匹放しました。

散布した液(あとからテントウムシを放す)死んだコナジラミ幼虫の割合(水だけ+テントウムシの区と比べて)
カランジャ油0.5%約56%
カランジャ油1%約81%
カランジャ油2%約91%
カランジャ油3%約98%

出典:Toxicity across food webs: effects of karanja oil on greenhouse whitefly on tomato and two commercial biocontrol agents(結果3.7と図7をもとに作成)

カランジャ油3%とテントウムシの組み合わせでは、コナジラミの幼虫の98%以上がいなくなりました。なお、水だけと乳化剤だけの区の間には差がありませんでした。また、何もしない区と比べると、水だけを散布してテントウムシを放した区でも幼虫が減っており、テントウムシ自体の働きも確認されています。

ただし、研究チームはここで慎重な見方を示しています。この実験の組み立てでは、カランジャ油がテントウムシの「食べる力」を高めたのか、弱めたのかまでは区別できないためです。幼虫が減ったのが、カランジャ油の効果なのか、テントウムシの働きなのか、その両方なのかを切り分けるには、さらに研究が必要だとしています。

温室で、手袋をした手がトマトの茎に小さな厚紙のカードを掛けている様子と、足元に置かれた噴霧器

ほかの研究では、天然由来の殺虫成分と天敵の関係はどう報告されているの?

論文の考察では、今回の結果を、ほかの研究と比べながら整理しています。結果は大きく「直接かからなければ天敵への影響は小さい」という報告と、「直接かかると天敵にも毒性がある」という報告に分けられます。

天敵への影響が小さかったという報告

研究の内容報告された結果
カランジャ油(0.15%、0.3%、0.5%)と、タマゴコバチの仲間(Trichogramma chilonis)ハチの羽化は対照と変わらず、一方で害虫ハスモンヨトウの幼虫期の個体の約47%が死亡
カランジャ油の主成分であるフラボノイドと、リンゴワタムシ・その寄生バチ最も高い濃さ(1%)でも、寄生バチの羽化は対照と変わらず
0.2%のカランジャ油と、コナジラミを食べるテントウムシ類テントウムシは死なず、数は対照と同じ
3%のカランジャ油をナスの害虫に散布散布後7日間、テントウムシ類の数に有意な変化なし
2%・3%のカランジャ油を複数の害虫に散布テントウムシ類に悪影響を与えずに、害虫を効果的に防除

出典:Toxicity across food webs: effects of karanja oil on greenhouse whitefly on tomato and two commercial biocontrol agents(考察で紹介された先行研究をもとに作成)

これらの研究と今回の研究に共通するのは、植物抽出物が寄生率を「高める」ことはない、という点です。そして今回の研究では、寄生バチを放す前に散布しておけば、濃さにかかわらず寄生バチの働きは変わりませんでした。

直接かかると天敵にも毒性があったという報告

研究の内容報告された結果
100ppmのニーム抽出物に、寄生されたオンシツコナジラミの幼虫を浸すオンシツツヤコバチの羽化が有意に減少
寄主の幼虫をニーム抽出物にさらすヒメバチ科の内部寄生バチの羽化が減少
10%のニーム溶液をテントウムシの一種にかける試験した個体の約73%が死亡
異なる濃さのニーム油にテントウムシ類が触れるさまざまな種類のテントウムシが死亡

出典:Toxicity across food webs: effects of karanja oil on greenhouse whitefly on tomato and two commercial biocontrol agents(考察で紹介された先行研究をもとに作成)

論文は、生物由来の殺虫剤(生物農薬)であっても、生態系に役立つ捕食者や寄生バチに「狙っていない影響」を与えうることを示す証拠は数多くあると述べています。その影響の大きさは、植物抽出物の濃さ、作用のしかた、有効成分などによって変わり、成虫の生存率の低下から繁殖成功の低下まで幅があるとしています。

さらに、植物抽出物の散布が、天敵や花粉を運ぶ虫(ポリネーター)の放飼と打ち消し合う場合もあることが報告されています。害虫対策と、花粉を運ぶ虫を呼び込む工夫とのバランスについては、ソラマメ畑に花を植えてポリネーターを呼び込んだ研究を紹介した記事も参考になります。

この研究の限界と注意点は?

この研究の結果を読むときには、いくつかの点に注意が必要です。

温室と実験室での結果である

実験は、管理された温室と実験室の条件で、ケージやシャーレを使って行われました。屋外の畑や家庭菜園では、雨や日光、風、ほかの生き物の出入りがあるため、同じ結果になるとは限りません。

テントウムシの「食べる力」への影響はまだわからない

先に紹介したとおり、カランジャ油を先に散布した場合に、テントウムシの食べる力が高まったのか、弱まったのかは、この実験の組み立てでは区別できませんでした。研究チームも、この関係を明らかにするにはさらに研究が必要だとしています。

浸透移行性の可能性は完全には否定できていない

根元に注いだ実験では効果が見られなかったものの、植物の組織を分析したわけではないため、植物の中を移動する作用がまったくないとは言い切れません。

研究用の製剤である

使われたカランジャ油は、研究目的のために提供された製剤で、市販品ではありません。論文の濃さや使い方を、そのまま家庭で試すための情報ではない点に注意が必要です。

「使う順番」を守ることが前提

論文の結論は、「天敵を放す前にカランジャ油を散布する」という厳しい順番を守る場合に、両立できる可能性があるというものです。また、研究チームは、生物農薬の効果と費用の両面や、安全で持続可能な使い方のための化学的な開発についても、さらなる研究が必要だとしています。

植物が害虫から身を守る仕組みや、それを農業に活かす考え方については、植物の抵抗性の3つのしくみを解説した記事で詳しく紹介しています。

家庭菜園で天敵を活かしたコナジラミ対策はどう考えればいいの?

ここから先は、論文で検証された方法そのものではなく、研究結果から読み取れる考え方を家庭菜園に応用したものです。

まず確認したいこと:農薬として登録されているか

家庭菜園で虫よけの資材を使うときは、天然由来かどうかにかかわらず、農薬として登録されたものかどうか、使いたい作物(トマトなど)と害虫に使えるかどうかを、ラベルで必ず確認しましょう。日本で登録されている農薬の内容は、農林水産省の農薬登録情報提供システムで調べることができます。

考え方1:「天然由来=天敵にやさしい」とは限らない

今回の研究では、天然由来のカランジャ油が、直接かかった天敵の寄生バチとテントウムシの仲間をほとんど死なせてしまいました。家庭菜園にも、テントウムシや、目に見えないほど小さな寄生バチが自然にやってきて、アブラムシやコナジラミを減らしてくれています。資材を選ぶときは、「天然かどうか」だけでなく、「周りの虫にどう影響するか」という視点も持っておくとよさそうです。

考え方2:「どこにかけるか」を絞る

カランジャ油は、虫に直接かかったり、虫が触れたりして効く接触型と考えられています。接触型の資材であれば、次のような工夫で、天敵に直接かかる機会を減らせる可能性があります。

  • 株全体に広くかけるのではなく、コナジラミが集まっている葉の裏にねらいを絞る
  • テントウムシの成虫や幼虫、さなぎが見える葉には、なるべくかけない
  • 散布の前に、葉の裏をよく観察して、害虫と天敵の両方がどこにいるかを確かめる

考え方3:「先に減らして、あとは天敵にまかせる」

研究で示された「先に散布し、乾いてから天敵を放す」という順番は、家庭菜園では次のような役割分担として考えることができます。

段階家庭菜園での考え方(応用)
発生の初期黄色い粘着シートや葉の裏の観察で、コナジラミの数を早めに確かめる
数が増えたとき登録された資材を、害虫が集まる場所にしぼって使い、まず数を減らす
その後散布はひかえめにして、自然にやってくるテントウムシや寄生バチの働きにまかせる
栽培全体を通して1つの方法に頼らず、観察・物理的な対策・天敵を組み合わせる

いくつもの方法を組み合わせて害虫を抑える考え方は、総合的病害虫管理(IPM)と呼ばれます。農林水産省も、総合的病害虫・雑草管理(IPM)の考え方と実践指針を公開しています。

考え方4:天敵がすみやすい環境をつくる

天敵を「放す」のは家庭菜園では難しくても、天敵が「来やすい」環境をつくることはできます。たとえば、いくつかの作物や草花を組み合わせて植える間作や混植は、生き物の多様性を高める工夫の一つです。間作が病害虫の抑制につながるしくみについては、間作の効果と病害虫抑制のしくみを解説した記事で紹介しています。

トマト自身がもつ、コナジラミを遠ざける天然の防御成分については、トマトのコナジラミ対策と天然の防御成分を解説した記事で詳しく取り上げています。

支柱に沿って育つトマトの間にマリーゴールドやハーブが植えられ、黄色い粘着シートが掛けられた日当たりのよい家庭菜園

まとめ

  • コナジラミの天敵とは、コナジラミを食べたり、体に卵を産みつけたりして数を減らす生き物のことで、温室のトマトでは寄生バチのオンシツツヤコバチや、テントウムシの仲間のデルファスタスが使われている
  • カランジャ油は、マメ科の木クロヨナの種子から搾った油で、フラボノイドのカランジンが主な有効成分と考えられている
  • カランジャ油はトマトに薬害を出さず、コナジラミの成虫を48時間で最大約80%(5%)死亡させ、効果は2週間続いた
  • 効き方は、虫に直接かかったり触れたりして効く「接触型」と考えられ、根元に注いでも効果は見られなかった
  • 天敵に直接かけると、寄生バチは0.5%で約64%、3%で100%が羽化できず、テントウムシの仲間は0.5%でも10匹中7匹が死亡した
  • 先にカランジャ油を散布し、乾いてから寄生バチを放すと、寄生する割合は変わらなかった
  • 研究チームは、「天敵を放す前に散布する」という順番を厳しく守れば、カランジャ油と天敵を組み合わせられる可能性があるとしている

よくある質問(Q&A)

Q1. 天然由来の殺虫成分なら、テントウムシなどの益虫には安全ですか?

天然由来であっても、益虫に安全とは限りません。今回の研究では、天然由来のカランジャ油を直接かけると、コナジラミの天敵である寄生バチとテントウムシの仲間の多くが死亡したと報告されています。一方で、先に散布して乾いてから寄生バチを放した場合は、寄生バチの働きに影響は見られませんでした。「何を使うか」とあわせて、「いつ、どこにかけるか」が大切です。

Q2. カランジャ油はコナジラミの卵を産ませなくする効果がありますか?

今回の研究では、その効果は確認されていません。生き残った成虫1匹あたりが残した幼虫の数は、カランジャ油の濃さによって変わりませんでした。研究チームは、幼虫が減ったのは主に親の成虫が死んで数が減ったためだと考えています。

Q3. 家庭菜園でもコナジラミの天敵を利用できますか?

家庭菜園でも、テントウムシや小さな寄生バチが自然にやってきて、害虫を減らしてくれることがあります。研究結果を応用するなら、殺虫効果のある資材を使う場合は害虫が集まる場所にしぼってかけ、天敵が見える葉にはなるべくかけないといった工夫が考えられます。ただし、これは論文で検証された方法ではなく考え方の応用です。また、資材は農薬として登録され、トマトなどの作物に使えるものかどうかを必ず確認してください。

この研究のように、国内外の植物・園芸・農業のニュースをXで毎日紹介しています。畑の虫や天敵の話題をいち早く知りたい方は、ぜひフォローしてください。
→ edge farm(@EdgeFarm83417)https://x.com/EdgeFarm83417

参考文献

  1. Cabra-Arias, C. & Carrillo, J. (2026). Toxicity across food webs: effects of karanja oil on greenhouse whitefly on tomato and two commercial biocontrol agents. Frontiers in Insect Science, 6, 1711812. https://doi.org/10.3389/finsc.2026.1711812
  • 論文PDF:finsc-6-1711812.pdf(関連する翻訳ファイル:20261002_翻訳_カランジャ油のオンシツコナジラミと天敵への影響.md)

コメント

タイトルとURLをコピーしました