庭や畑のオヒシバの生態や特徴、駆除方法・予防対策を紹介

オヒシバ

オヒシバの対策に苦慮されている生産者も数多くおられますので、今回はオヒシバ対策について紹介していきます。

オヒシバは農作物に与える影響は小さいのですが、一度茂った状態になってしまうと完全に駆除する事がなかなか難しいです。

オヒシバは日当たりがよければどこでも生息出来る雑草です。

オヒシバは畑だけでなく、アスファルトの間や公園、グラウンドなどでも見られ、他の植物が生息しにくい厳しい環境下でも生息可能です。

オヒシバの生態

分類:イネ科

分布:本州以南

出芽:5~7月

花期:7~10月

草丈:脛~腰

生活歴:1年草(夏生)

繁殖器官:種子(1.4g)

学術名:Eleusine indica GEARTN

別名:チカラグサ(力草)、ホトクイ、コッテグサ

オヒシバの茎や根の耐乾性・耐湿性・耐暑性・耐寒性が高い為、様々な場所で生息出来て、人や車の踏圧にも強い為、人の往来の多い場所でも生息出来る雑草です。

土壌の温度が15~18℃位で、適度な水分と光によって発芽します。

メヒシバよりも約2~3週間位遅くれて発生します。

茎は地表に低くて、平面的に広がる為、低刈りにも堪え、耐乾性にも優れています。

1個体から数千個の種子が出来て、風によって容易に拡散します。

実際は、オヒシバとメヒシバは全く別の植物で、オヒシバは男性らしい頑強さを感じさせ、一方メヒシバは女性らしい柔らかさを感じさせる事から、名付けられました。

オヒシバは、茎の外側が硬い皮で覆われており、人がちぎろうとしても、茎はなかなかちぎれないという事から、別名を力草とも呼ばれています。

オヒシバは、1本の茎の先端に2~7本の小穂をつける軸を放射状に生やしていきます。

種子は成育が進んでくると1個体あたり数千個位作られ、風によりあらゆる所に飛び散ります。

また、オヒシバの種子は、春の適正気温になるまで出芽を抑える休眠性がある為、生息域を拡大する事が可能になります。

生育環境により草丈は異なりますが、短いもので30cm、長いもので80cmほどになります。

葉は細長くてやや硬め、縁には柔らかい白い毛が生えており、茎が分岐して株立ちして、ひげ根を強く張るため引き抜くのが困難になります。

オヒシバの駆除方法とは

オヒシバは農作物に与える影響は小さいのですが、どこでも生えて、一度茂った状態にしてしまうと完全に駆除することがなかなか難しいです。

成長点が低く刈り取ってもすぐに再生してきます。

種子の量が多い為、毎年どこからか生えてきます。

ひげ根ががっちりと土中をつかんでいる為、抜き取り作業が大変です。

オヒシバは横には広がらず株化する為、種子さえ落とさせなければそれ以上広がる事はほとんどありません。

オヒシバの根はひげ根で、無数の根で地面をがっちりと掴みます。

ひげ根の植物は地中深くに伸ばしたり、横に広がったりさまざまですが、オヒシバは根を地中方向に伸ばします。

地中に伸ばす根の量が大きいので、非常に抜き取りにくいです。

根を地中深く伸ばす目的には、乾いた土地でも水分を確保するためです。

オヒシバ属は引っこ抜いたら穴が出来るくらい深く根を伸ばすのに対し、メヒシバ属の根は横に伸びていく為、どちらも、手で抜き取る除草方法だと労力がいります。

オヒシバは食べられる?

頑丈さから繊維も硬く、種子も小さいためオヒシバは食べる用途には不向きです。

しかし、オヒシバには食べる為に栽培されてきた栽培種があります。

それがシコクビエは、大型のオヒシバのような一年生草本で、丸い小さな実を沢山つけます。

その実は消化が良く亜鉛や銅などの豊富なミネラル分を含んでおり高い栄養価が特徴的です。

古来より穀物として栽培されていて、団子や粥の原料や醸造してビールのように飲まれていました。

シコクビエは紀元前1300年頃にインドでの栽培が開始し、日本には縄文時代に伝わったと考えられております。

その後は四国~東海地方までの幅広い地域で栽培されてきましたが、幻の雑穀と言われています。

シコクビエはインド地方において、ロティというパンの材料として使われています。

除草剤を使う

近年ではグリホサート剤への抵抗性が報告されていて、除草が困難になっています。

オヒシバは、野菜畑や大豆畑で大量に発生する事があり、水田の畦畔に繁茂してカメムシなどの害虫のすみかとなるので、早めに防除を行う事が重要です。

来年にオヒシバを繁殖させない方法

オヒシバの穂が花をつける8~9月の頃に、重点的に刈り取り作業をしておく事で穂で種が作られず、種子を地面に落とさせない事で翌年の発生を抑える事が出来ます。

オヒシバにも弱点があって、成長の為に必要な日光を遮る事で成育を抑える事が出来ます。

オヒシバを除草した後に隙間なく作物や花を栽培して、植物の影により日の光が十分得られず生えてこなくなり、また植物を植える予定がない場合には、防草シートを敷いても効果的です。

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