ハスモンヨトウの生態と発生する原因、対策について紹介

ハスモンヨトウ

ハスモンヨトウの対策に苦慮されている生産者も数多くおられますので、今回はハスモンヨトウ対策について紹介していきます。

ハスモンヨトウの生態

このハスモンヨトウは、ヨトウムシ(夜盗虫)とも呼ばれていてナスの主要な害虫で、年5~6回発生し、多くの野菜や草花などを食害します。

ハスモンヨトウの卵は葉の裏に数百個位固めて産卵され、孵化した幼虫は成虫してくると体色が褐色から黒褐色になり、分散して食害します。

大きいものだと4cmにもなるので食べる量が多くなって、放置しておくと株が葉脈だけを残して丸裸にされる事もあります。

葉が表皮を残してかすり状になり、葉の裏に幼虫が群生します。

南方から長距離の移動をする害虫として知られており、夏期には上空200m位で成虫が捕獲された事もあって、これらの飛来侵入が発生源になっていると考えられております。

暖地性の害虫である為、関東以西での発生が多いです。

成虫は体長15~20mm、翅は広げると35~42mm、灰黒褐色で、翅の中央部に斜めに白い筋があります。

昼間は葉の裏や物陰で静止し、夜間に活動して、成虫は灯火に集まり、特にブラックライトに多く集まります。

卵は直径0.5mm位のまんじゅう形で、葉の裏に卵塊で産み付けられます。

雌成虫当たり平均3~6卵塊、約1,000粒の卵を産んで、卵の期間は夏期では2~3日です。

孵化幼虫は体長1mm、暗緑色で集団で葉の裏に生息し、中齢幼虫になるとしだいに分散します。

老齢幼虫は体長40mm、体色は褐色~黒褐色と個体変異が大きいです。

幼虫は5回脱皮し、6齢を経て、土中で蛹になります。

蛹は体長20mm、茶褐色です。

25℃での幼虫の期間は15~20日、蛹の期間は7~9日です。

幼虫は雑食性で、ほとんどの野菜類や花卉類を食害します。

作物が食い尽くされると、周辺の雑草を食い尽くす事があります。

発生が多いと幼虫が一つの畑を食い尽くして、隣の畑へ集団で移動して食害を続ける事もあります。

ハスモンヨトウが発生する原因

圃場内または圃場周辺に雑草が多いと、そこが発生源になります。

高温・乾燥条件で多発する傾向があり、梅雨の時期に降雨が少ない年には発生が多くなります。

暖冬の年は越冬量が増加する為、春期の発生が多くなります。

7~10月頃に発生して、熱帯夜が続く高温の年に被害が拡大します。

ハスモンヨトウによる食害の主な症状

幼虫が葉を食べる事で多数の穴が開き、特に若い葉は完全に食べ尽くされる事があります。

葉の縁から食べ進める為、葉が不規則な形にかじられます。

葉の表面だけを食べて葉脈を残す事があり、葉が骨格のように見える事があります。

大量の食害により葉が枯れ落ちる事があります。

幼虫が茎や枝の表皮を食べる為、かじり跡が見られます。

幼虫が茎を食害する事で、植物全体の成長が阻害されます。

ハスモンヨトウによる食害の対処・予防方法

作物を防虫ネットで覆い、成虫が産卵しないように防ぎます。

成虫を捕獲する為に黄色の粘着シートを設置します。

小規模な農場では、幼虫を手で取り除く方法が効果的です。

同じ作物を連作せず、輪作を行う事で害虫の発生を抑えます。

作物を密植せずに、風通しを良くして、湿気を減少させます。

適切な肥料と水管理を行い、植物の健康を保つ事で、ハスモンヨトウの被害を軽減します。

畑周辺の雑草を定期的に取り除き、害虫の隠れ場所を減らします。

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