ニジュウヤホシテントウの生態と発生する原因、対策について紹介

ニジュウヤホシテントウ

ニジュウヤホシテントウの対策に苦慮されている生産者も数多くおられますので、今回はニジュウヤホシテントウ対策について紹介していきます。

ニジュウヤホシテントウの生態

28個の黒い模様を持つニジュウヤホシテントウは、テントウムシダマシとも呼ばれます。

テントウムシと言えばアブラムシを捕食する益虫ですが、ナスが大好物で、他にもピーマン、トマト、ジャガイモなどの葉や果実を親子共々沢山食べます。

成虫は落ち葉、石垣、草むらなどで越冬します。

体長は、幼虫で1cm前後、成虫で6mm前後、幼虫は体全体を突起で武装しています。

四月頃に目を覚まし、まずはジャガイモを目指して、その後好物であるナスが植え付けられるとそちらに移動して行きます。

そこで黄色い卵を数十個を一塊を産み付け、幼虫、蛹を経て一ヶ月位で新成虫になります。

ニジュウヤホシテントウの幼虫

幼虫は体全体を突起物で覆われています。

食べ物がナス科に限られるので、春に飛来する成虫をジャガイモ畑で片っ端から捕まえるとその後の発生は少なくなる傾向になります。

ニジュウヤホシテントウを押し潰すと黄色の汁が出てきますが、特に害はありません。

人の気配や、葉が揺れ動いたりすると手足を縮めて、葉から転がり落ちるので、取り逃さない工夫が必要です。

ニジュウヤホシテントウが発生する原因

ニジュウヤホシテントウは温暖な気候を好み、特に春から秋にかけての気温が高い季節に発生しやすいです。

湿度が高い環境は彼らの活動を促進し、梅雨の時期や降雨が多い季節に発生リスクが高まります。

ナス科の作物(ジャガイモ、トマト、ナスなど)を好むため、これらの作物が多く栽培されている場所で発生しやすいです。

作物を密集して植えると、風通しが悪くなり、ニジュウヤホシテントウが隠れやすい環境ができるため、発生リスクが高まります。

防虫ネットの設置や適切な農薬の使用など、ニジュウヤホシテントウに対する防除策が不十分だと発生しやすくなります。

周囲の雑草が繁茂していると、ニジュウヤホシテントウの隠れ場所や食料源となり、発生リスクが高まります。

ニジュウヤホシテントウの天敵である鳥類や捕食性の昆虫が減少すると、個体数が増加し、天敵の減少は農薬の過剰使用や生態系の変化によって引き起こされることがあります。

落ち葉や枯れ草、土壌中など、ニジュウヤホシテントウの成虫が冬眠するための適切な場所が多いと、越冬個体が増加し、翌春の発生リスクが高まります。

ナス科作物の栽培面積が広がると、ニジュウヤホシテントウの生息域も広がり、発生リスクが増大します。

気候変動により温暖化が進むと、ニジュウヤホシテントウの生息範囲が拡大し、発生リスクが高まります。

近隣の畑や庭でニジュウヤホシテントウが発生していると、その影響を受けやすくなり、特にニジュウヤホシテントウは飛翔能力があるため、隣接する場所への移動が容易です。

過剰な窒素肥料の使用は、植物の成長を促進し、ニジュウヤホシテントウが好む新芽や若葉が増加する為、発生しやすくなります。

過剰な灌漑や乾燥状態が続くと、植物がストレスを受けて抵抗力が低下し、ニジュウヤホシテントウの被害を受けやすくなります。

ニジュウヤホシテントウによる食害の主な症状

成虫は葉の表面をかじり、葉に不規則な穴を開けて、特に葉脈を残して葉肉部分だけを食べる傾向があります。

葉に網目状の食害跡が残り、重度の場合、葉が透けて見えるようになります。

若葉が特に好まれ、若葉が大きく食害されると植物全体の成長が阻害されます。

葉の新芽が食べられるため、新しい成長が遅れる事があります。

花や花芽が食害され、花が正常に開かない、または落花する事があります。

結果的に受粉が妨げられ、果実の形成が不完全になる事があります。

幼虫は葉の裏側を食害し、表面が白くなる事があり、葉の裏側から食害するため、発見が遅れる事が多いです。

幼虫が若い茎を食害することで、植物の水分や養分の輸送が阻害される事があります。

茎に傷がつくことで、二次感染による病気の発生リスクが高まります。

葉が大きく食害されることで、光合成が妨げられ、植物全体の生育が悪化します。

葉の食害により、植物が必要なエネルギーを生成できなくなります。

葉が食害されることで、葉が黄色く変色し、最終的に枯死する事があります。

重度の食害により、植物全体が枯死する事があります。

花や花芽が食害される事で、果実の数が減少します。

結実しても果実が小さくなったり、品質が低下したりする事があります。

ニジュウヤホシテントウによる食害の傷口から、細菌や真菌などの病原菌が侵入しやすくなります。

食害された部分が二次感染し、さらなる病気を引き起こす事があります。

食害により、作物の収量が大幅に減少します。

ニジュウヤホシテントウによる食害の対処・予防方法

成虫や幼虫を手で捕まえて取り除きます。

ウリ科作物の周囲に防虫ネットを張り、成虫の侵入を防ぎます。

黄色の粘着シートを設置し、成虫を捕まえます。

天然の病原菌や寄生虫を使用してニジュウヤホシテントウを駆除します。

同じ場所でナス科作物を連作せず、輪作を行う事でニジュウヤホシテントウの発生を抑えます。

作物の密植を避け、風通しを良くする事で発生を抑制します。

畑周辺の雑草を定期的に取り除き、ニジュウヤホシテントウの隠れ場所を減らします。

適切な肥料管理と水管理を行い、植物の健康を保つ事で害虫の被害を軽減します。

フェロモンを使用して成虫をおびき寄せ、トラップで捕獲します。

夜行性の成虫を引き寄せるための光トラップを設置する。

秋から冬にかけて、落ち葉や枯れ草を取り除き、成虫の越冬場所を減らします。

作物の残渣や枯れ草を取り除き、害虫の隠れ場所を減らします。

定期的に畑を巡回し、ニジュウヤホシテントウの早期発見と迅速な対処を行います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました