
モザイク病の対策に苦慮されている生産者も数多くおられますので、今回はモザイク病対策について紹介していきます。
葉に明暗の緑色の斑紋が現れますが、これが病名の由来です。
葉が縮れたり、波打ったりする変形が見られたり、葉がしわしわになる事があります。
葉に黄色や白色の斑点が出る事があり、また葉が小さく萎縮する事があります。
モザイク病による食害の主な症状
斑点は不規則な形で、数mm~1cm程度です。
茎にもモザイク模様が現れたり、ひび割れが見られる事があります。
果実が正常に発育せず、変形する事があり、果実の表面に黄色や白色の斑点が現れる事があります。
モザイク病に感染した果実は、味が悪くなる事があり、果実が硬くなり、品質が低下します。
モザイク病に感染した植物は、全体的に生育が悪って、その感染により、収穫量が減少します。
モザイク病が発生しやすい植物
トマト、キュウリ、カボチャ、ナス、レタス、ホウレンソウ、ピーマン、カリフラワー、キャベツ、ズッキーニ、スイカ、イチゴ、トウモロコシ、エンドウ、インゲンマメ、
ラディッシュなど
モザイク病が発生しやすい時期
4~11月
モザイク病が発生する条件
モザイク病は温暖な気温で発生しやすく、特に20℃~30℃の範囲で最も活発になります。
湿度が高い環境もモザイク病の発生を助長し、湿度が高いとウイルスを媒介するアブラムシなどの害虫の活動が活発になります。
雨が多い時期や地域では、ウイルスが広がりやすくなり、特に、梅雨の時期や熱帯の雨季がこれに該当します。
モザイク病ウイルスはアブラムシによって媒介されることが多い為、アブラムシが活発に活動する時期や環境で発生しやすいです。
周囲にモザイク病に感染した植物があると、ウイルスが健康な植物に広がりやすくなるので注意が必要です。
同じ場所で同じ作物を連作すると、土壌にウイルスや媒介する害虫が蓄積し、モザイク病が発生しやすくなります。
肥料の過不足があると、植物がストレスを受けてウイルス感染に対する抵抗力が低下します。
密植して植えると、病気の蔓延が速くなり、風通しが悪くなり、湿度も高くなる為、ウイルスの拡散が促進されます。
周囲の雑草がウイルスの宿主となる事がある為、除草が不十分だとモザイク病の発生リスクが高まります。
モザイク病による食害の対処・予防方法
●薬剤を使用する前の防除
モザイク病に耐性のある品種を選んで栽培する事で、発生リスクを低減します。
同じ場所で同じ作物を連作しないようにして、輪作を実施して土壌中の病原ウイルスの蓄積を防ぎます。
甫場周囲の雑草を除去し、ウイルスの宿主となる植物を排除します。
防虫ネットやトンネル栽培を用いて、アブラムシなどの媒介昆虫の侵入を防ぎます。
健康な苗を選んで植える事が重要で、ウイルスに感染していない苗を使用する事で、初期感染を防ぎます。
定期的に植物を検査し、感染の兆候が見られた場合は速やかに除去する事で感染拡大を防ぎます。
適切な灌漑と肥料管理を行い、植物の健康を保つ事で、ウイルス感染に対する抵抗力を高めます。


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