
ハダニ類の対策に苦慮されている生産者も数多くおられますので、今回はハダニ類対策について紹介していきます。
葉に白い小斑点をつける黒みがかった赤色や黄緑色の蜘蛛の仲間の吸汁性害虫(きゅうじゅうせいがいちゅう)で、日本全土に生息しており、野菜をはじめ草花、観葉植物、果樹などに寄生します。
ハダニ類による食害の主な症状
葉に白い斑点がついていて、葉の裏にアズキのような形で0.5m程の黒みがかった赤色や黄緑色の虫が居れば、それがハダニです。
新芽や幼葉が白くなって、緑の色素が無くなり、他の葉もかすれたように白くなって、カスリ状になっています。
ハダニは葉に口針を差し込んで、植物の汁を吸引してその結果、緑色の色素が抜けたような状態になります。
密度が低い時は葉の表に小さな白斑を生じる程度だが、密度が高くなると葉は黄化して、最後には枯死してしまう。
葉が枯死してしまうと、次々と新しい葉に移っていく為、放置しておくと被害が大きくなる。
また、被害個所は蜘蛛の巣状を網を張る事があります。
主に葉の裏に寄生しますが、果実にも寄生します。
ハダニ類が発生しやすい植物
ピーマン、キュウリ、スイカ、サヤインゲン、エダマメ、イチゴ、トウモロコシ、オクラ、ホウレンソウ、シソなど
ハダニ類が発生しやすい時期
5~10月
ハダニ類が発生する条件
ハダニ類は25~28℃位の温度で乾燥した状態だと、卵の期間2~3日、幼虫~若虫の期間6~7日で成虫になります。
卵から孵化した個体が幼虫、脱皮をして第1・第2若虫を経て成虫となります。
ハダニは風に乗ったり、周囲の植物から歩行して移動してきます。
トマトを加害する主なハダニには、ナミハダニ及びカンザワハダニの2種が知られている。
その内、カンザワハダニは休眠性を持っており越冬します。
これらのハダニは、雌1匹が1日で産む卵の個数は数個~10個で、この雌1匹が産む産卵数は100~150個とも言われています。
春~秋までに10回以上発生する事があります。
ハダニの大きさは0.5mm程度で、成虫になると足が8本の為、虫の仲間ではなくて蜘蛛の仲間になります。
ハダニ類による食害の対処・予防方法
●薬剤を使用する前の防除
密植を避けて風通しを良くして、周辺の除草を徹底し、梅雨明け後は株元に敷き藁などでマルチングして、夏季は乾燥に気を付けて適度な水やりに心がける
また、過度な窒素肥料の使用を避け、栄養バランスの良い肥料を与えます。


コメント