【トマトの大敵その②】尻腐れ病が発生する原因と対策について紹介

尻腐れ病の対策に苦慮されている生産者も数多くおられますので、今回は尻腐れ病対策について紹介していきます。

トマトの代表的な生理障害で、カルシウムの欠乏が原因で発生します。

トマトの果実の先端部分が黒く円形に変色している場合は、尻腐れ病が疑われます。

尻腐れ病の主な症状

尻腐れ病とは、果実のお尻の部分が黒くなって、やがて腐ってしまう症状です。

トマトの代表的な生理障害で、カルシウムの欠乏が原因です。

果実の尻部分が茶色や黒色に変色してくる。

尻部分の組織が軟らかくなって、触るとへこみやすくなる。

尻部分の組織が崩壊して、腐敗臭が発生する事がある。

病気の進行によっては、果実全体に褐色の斑点が広がる事がある。

尻腐れ症になりやすい植物

トマトのみ

尻腐れ症が発生しやすい時期

6~8月(特に梅雨明け~盛夏)

尻腐れ症が発生する条件

尻腐れ症は古くから知られているトマトの代表的な生理障害の 1 つで、開花後2週間前後の果実の急速肥大期に集中して発生します。

尻腐れは、果実頂端部果皮から発生するだけではなくて、種子周辺の柔組織や胎座に内部尻腐れが発生する事もあり、ただ、この内部の尻腐れは、症状が進行して果皮に及ぶまでに、果実外部から発生を確認する事がとても困難である。

トマトの尻腐れのほとんどが水分ストレス、アンモニア過剰、カルシウム欠乏(Ca)が原因となって発生します。

この尻腐れは、塩含量が高い土壌及び酸性土壌で発生します。

尻腐れ病の対処・予防方法

●薬剤を使用する前の防除

①土壌改良

カルシウムを含む有機質肥料を追加し、土壌のカルシウム濃度を向上させる。

土壌が酸性の場合は発生が促される為、植え付ける前に苦土石灰を土に混ぜて、弱酸性(pH5.5~6.5)に調整する。

②均一な水分供給

土壌の中の水分を均一に保つために、適切な灌漑システムを導入して、水分ストレスを最小限に抑える事。

③適切な栄養管理

トマトに必要な栄養素をバランス良く供給して、特にカルシウムの摂取量には注意する事。

④多品種栽培

耐病性の高い品種を選択する事で、病気のリスクを減らす事が出来ます。

また尻腐れ症は、大玉トマトに比べて、中玉トマトやミニトマトでは発生しにくく、品種によっては感受性に差異が存在する事も報告されている。

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