【トマトの大敵その①】アブラムシ類が発生する原因と対策について紹介

アブラムシ類の対策に苦慮されている生産者も数多くおられますので、今回はアブラムシ類対策について紹介していきます。

トマトの葉の裏や新芽、幼果につくのがアブラムシで、体長が0.3~4mm程度の小さな虫で、植物の汁を吸う害虫である。

アブラムシの発生が多いと葉や新芽の成長が阻害され、収穫にも影響が出てきて、そのアブラムシの吸汁によって葉が湾曲してくる。

アブラムシが植物の汁を吸うと尾片から排泄物を出して、それが葉についてカビが繁殖してすす病が発生して、果実や茎葉が黒くなったりします。

アブラムシ類による食害の主な症状

アブラムシ

アブラムシはカメムシ目ヨコバイ亜目のアブラムシ科に属しており、この日本には約700種類のアブラムシが生息しています。

その内、野菜栽培の障害となるアブラムシ類は、約30種ほどある。

トマトに発生するアブラムシ類は、次の仲間が知られています。

●モモアカアブラムシ

●ワタアブラムシ

●ダイコンアブラムシ

●ジャガイモヒゲナガアブラムシ

●チューリップヒゲナガアブラムシ

アブラムシ類による野菜栽培の被害は、どの種類でも共通しています。

成虫・幼虫共に、葉や茎、果実から吸汁します。

吸汁の際に口吻(こうふん)と呼ばれる長いストロー状の口で、植物の汁を吸います。

アブラムシは通常はメスのみで、繫殖をしており、メス成虫は卵ではなく、幼虫を産みます。

幼虫は3回の脱皮を経て、7~10日後には新成虫となり、その成虫は毎日2~3匹の幼虫を産み落とすので、2週間後には500匹前後になります。

そのおびただしい数のアブラムシが、植物の汁を吸うと尾片から排泄物を出して、それが葉についてカビが繁殖してすす病が発生して、果実や茎葉が黒くなったりします。

また、葉にモザイク症状が出るモザイク病を発生させるウイルスを媒介して、生育を遅らせて果実の肥大も阻害してしまいます。

おびただしい繫殖の為、生息密度が高まってしまうと、翅(はね)がある成虫が現れ、周囲の植物に移動して被害を広げてしまいます。

アブラムシ類が発生しやすい植物

アブラムシ類は様々な種類の植物に発症しますが、特になりやすいものを明記していきます。

●野菜類

ナス、キュウリ、キャベツ、ブロッコリー、ハクサイ、チンゲンサイ、コマツナ、ダイコン、カブなど

アブラムシ類が発生しやすい時期

4~7月

アブラムシ類が発生する条件

アブラムシが発生する条件として、風通しが悪いくて株間が狭く、日当たり不足だとアブラムシが発生しやすくなります。

株が密集してしまっていると他の株にも行きやすくて、アブラムシにとっては好都合な環境となってしまいます。

そのため株間を広く取って、茂りすぎた葉を切り取り風通しを確保し、日が当たるような環境作りを行いましょう。

アブラムシ類による食害の対処・予防方法

●薬剤を使用する前の防除

アブラムシはキラキラした光を嫌う為、定植前に白マルチかシルバーマルチを敷いて飛来を軽減する。

窒素肥料を一度に沢山やりすぎると、アブラムシの発生を促すので注意が必要です。

株間を広めにとって、風通しを良くして、周辺の除草を行う事が必要です。

アブラムシの天敵である成虫・幼虫を紹介していきます。

・アブラバチはアブラムシの体内に卵を産み付け、その産み付けられた卵は体内で孵化してお腹がパンパンになります。

・ヒラタアブの幼虫は、アブラムシを数百匹も食べる食いしん坊である。

・テントウムシの成虫と幼虫で、成虫よりも幼虫のほうが食欲を旺盛である。

施設内でトマトの栽培をしている場合は、これらの成虫・幼虫を放し飼いにするのも良い方法で、屋外でも、テントウムシが好きなタンポポを植え付けるのも良い。

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