コガネムシの生態と発生する原因、対策について紹介

コガネムシの対策に苦慮されている生産者も数多くおられますので、今回はコガネムシ対策について紹介していきます。

コガネムシは、甲虫目コガネムシ科の昆虫で、カブトムシの仲間です。

学名ではMimela splendensと呼ばれ、漢字では黄金虫と書きます。

成虫は6月頃に発生します。

交尾を終えたメスの成虫は、有機物の多い土壌を見つけると、手足をフルに使って潜り込んで、白い卵をあちらこちらに産み落とします。

コガネムシの生態

成虫の体長は1〜2cmで、色は種類によって異なり、緑色、金色、黒色など多様です。

体は丸みを帯びており、堅い外殻に覆われています。

羽は透明で、飛ぶ事が出来ます。

成虫は春から夏にかけて出現し、花や葉を食べます。

メスは土中に産卵し、孵化した幼虫は土中で生活し、根や腐植質を食べます。

幼虫は冬を越し、翌年の春に蛹化して成虫になり、生活周期は1年から3年程度です。

コガネムシは森林、草地、農地、庭などさまざまな環境で見られます。

幼虫は土壌中に生息し、有機物が豊富な場所を好みます。

成虫は花や葉、果実などの植物の柔らかい部分を食べます。

幼虫は土中の根や腐植質を主食とし、特に農作物の根を食害する事が問題となります。

成虫は昼行性で、日中に活動し、飛行能力が高く、花から花へと移動します。

幼虫は土中でゆっくりと移動しながら食物を探します。

メスは産卵のために土壌を掘り、約20〜30個の卵を産みます。卵は約2週間で孵化します。

コガネムシが発生する原因

コガネムシは温暖で湿った環境を好み、特に春から夏にかけて気温が上昇し、湿度が高いと発生しやすくなります。

土壌が有機物で豊富な場合、幼虫が好む餌が多いため、発生しやすくなります。

農作物や花卉の栽培において、肥沃な土壌を使用することが多く、それがコガネムシの幼虫の生息に適した環境を提供します。

農業や園芸活動によって土壌が頻繁にかき混ぜられると、幼虫の卵が地表近くに露出しやすくなり、孵化しやすくなります。

コガネムシの成虫は高い繁殖能力を持ち、一度に多くの卵を産みます。

これにより、短期間で個体数が急増する事があります。

天敵が減少した場合、コガネムシの個体数が抑制されず、爆発的に増加する事があります。

特定の作物はコガネムシの好物であり、これらの作物が多く栽培されている地域では発生しやすくなります。

多年生作物や果樹園では、同じ場所で長期間栽培されるため、コガネムシの幼虫が根を食害しやすくなります。

庭や公園での落ち葉や草の堆積は、コガネムシの幼虫にとって理想的な繁殖環境を提供します。

適切な清掃や草刈りが行われていない場合、コガネムシの発生が助長されます。

気候変動により気温が上昇し、温暖化が進む事で、コガネムシの活動期間が長くなり、繁殖サイクルが短くなる可能性があります。

特に温暖な地域では、コガネムシの個体数が増加する傾向にあります。

コガネムシによる食害の主な症状

コガネムシの成虫は野菜の葉を食べます。

食害された葉は穴が開き、部分的に欠損します。

葉がひどく食害されると、光合成能力が低下し、植物全体の生育に影響を与えます。

コガネムシは花も好んで食べるため、花弁が食い破られたり、花全体が破壊されたりします。

特に受粉が必要な作物では、花の食害によって収穫量が大幅に減少する可能性があります。

成虫が果実を食べる事もあります。

果実が食害されると、傷口から病原菌が侵入しやすくなります。

収穫前の果実が食害されると、市場価値が低下し、商品としての品質が損なわれます。

幼虫は土中で野菜の根を食害します。

根が食害されると、水分や養分の吸収が妨げられ、植物の成長が著しく阻害されます。

根の食害は地上部のしおれや生育不良として現れ、最悪の場合、植物が枯死する事もあります。

一部のコガネムシの幼虫は茎も食害します。

茎の内部が食べられると、植物の支持力が弱まり、倒伏しやすくなります。

茎の食害は、植物の全体的な構造に影響を与え、成長不良や収穫量の減少を引き起こします。

コガネムシによる物理的な食害は、傷口から病原菌が侵入するリスクを高めます。

これにより、二次的な病害が発生しやすくなります。

病害が発生すると、さらに植物の健康状態が悪化し、収穫量や品質に大きな影響を与えます。

コガネムシによる食害は植物に大きなストレスを与え、成長や発育に悪影響を及ぼします。

ストレスを受けた植物は病害虫に対する抵抗力が低下し、他の害虫や病気の被害も受けやすくなります。

コガネムシによる食害の対処・予防方法

早朝や夕方に手で成虫を捕まえて駆除します。

成虫は飛行能力が高いため、ネットを使用するのも効果的です。

野菜の周りに防虫ネットを設置し、コガネムシの成虫が侵入するのを防ぎます。

ネットは細かい目のものを選ぶと効果的です。

フェロモントラップや光トラップを使用して成虫を誘引し、捕獲します。

トラップは適切な位置に設置し、定期的に確認して取り除きます。

コガネムシの幼虫を捕食する天敵を導入し、自然の生態系を利用して個体数を減少させます。

庭や畑に益虫が生息しやすい環境を整え、自然の捕食者によるコガネムシの抑制を図ります。

土壌を定期的に耕すことで、幼虫の生息環境を撹乱し、地表に露出させて捕食者に見つけやすくします。

作物の栽培場所をローテーションし、特定の場所にコガネムシが集中するのを防ぎます。

コガネムシの好む作物を避けるか、他の作物と混植することで、被害の集中を防ぎます。

コガネムシ専用の殺虫剤を使用し、成虫や幼虫を駆除します。

使用する際は、指示に従って適切な量を使用します。

ニームオイルなどの有機農薬を使用して、コガネムシを駆除します。

環境への影響を抑えつつ、効果的な駆除が可能です。

土壌を乾燥させることで、幼虫の生息環境を不適にします。

適度な灌漑管理が重要です。

堆肥や落ち葉の管理を徹底し、コガネムシの幼虫が繁殖しやすい環境を避けます。

庭や畑を定期的に巡回し、コガネムシの発生状況を監視します。

早期発見が対策の鍵です。

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