褐斑細菌病の対策に苦慮されている生産者も数多くおられますので、今回は褐斑細菌病対策について紹介していきます。
メロンの褐斑細菌病（Bacterial fruit blotch, BFB）は、Acidovorax citrulliという細菌によって引き起こされます。
葉に小さな水浸状の斑点が現れて、やがて拡大して褐色の斑点になります。
褐斑細菌病による食害の主な症状
葉脈に沿って病斑が拡大して、葉全体に広がる事があります。
斑点は円形または不規則な形で、数ミリメートルから1センチメートル程度です。
感染が進むと、葉が黄色く変色して、葉が枯れて落葉します。
果実表面に小さな水浸状の斑点が現れ、時間と共に拡大して褐色の斑点になります。
病斑が拡大すると、果皮にひび割れが生じる事があり、果実内部にまで感染が広がると、果肉が腐敗し、異臭を放つ事があります。
褐斑細菌病が発生しやすい植物
スイカ、キュウリ、ズッキーニ、カボチャ、ヘチマ、ウリ、トウガンなど
褐斑細菌病が発生しやすい時期
6～9月
褐斑細菌病が発生する条件
特に気温が高く湿度が高い時期に発生リスクが高まり、温暖な気候と湿度が病原菌の繁殖を助長します。
梅雨の時期は雨が多く湿度が高いため、病気の発生が促進されます。
激しい雨が降ると、病原菌が雨水に乗って遠くまで飛散し、被害が広範囲に拡大する可能性があります。
25〜30℃程度の高温条件が病原菌の活動を活発にします。
高い湿度が病原菌の拡散と感染を助けて、葉や果実が濡れた状態が長く続くと、感染リスクが増加します。
密植して植えられていると、通気性が悪くなり、湿度が高く保たれるため、病気が発生しやすくなります。
褐斑細菌病による食害の対処・予防方法
●薬剤を使用する前の防除
褐斑細菌病に耐性を持つメロン品種を選び、栽培する事で病気の発生リスクを減らします。
過剰な水やりを避けて、適切な灌漑を行い、特に葉や果実が長時間濡れた状態にならないように管理する事が必要です。
同じ畑でメロンや他のウリ科作物を連作しないようにし、輪作を行い、これにより、土壌中の病原菌の蓄積を防ぎます。
植物間の距離を適切に保ち、通気性を確保する事で、湿度が高くなるのを防ぎます。
畑をビニールシートで覆い、太陽の熱を利用して土壌中の病原菌を減少させる事が必要です。
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